こころ、てくてく……表現するこころ

漫画家 海山かのんが、表現する人々のことなど、つぶやいたりマンガに描いたりします。

赤とピンクの思い出

 

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ふと赤とピンクをえいやっと散りばめた絵を描きたくなり、殴り書きのように作りました。

 

赤とピンクというと思い出すエピソードがあるのです。

 

ほんとーに大昔、私が母と一緒に幼稚園の入園前の面接に行ったときのこと、

 

面接の順番を待つ部屋の真ん中にテーブルがあって、色とりどりのおはじきが置かれていました。

 

在園生なのか、同じ面接待ちの子供か分かりませんが、2人の女の子がおはじきを紐に通してペンダントのようなものをせっせとこしらえています。

 

1人の子が、赤とピンクのおはじきを交互に紐に通してずいぶん長く繋げて、

 

「赤とピンクのををこうすると、きれいでしょ。」と言いました。

 

ちょうどこんな雰囲気。

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それを見て小さな私は、何か複雑な気持ちになっていました。当時の私はうまく言葉にできませんでしたが、今の私が通訳すると、

 

「なんだかくどいなあ」

「趣味悪くないかな」

 

赤やピンクは過剰にならないように効かせるほうが良い、と、どこの大人から仕入れたのか、当時の私はそんなふうに思っていたんですね。

 

そのわりには、私は今に至るまで、けっこう赤やピンクを大胆に取り入れて過ごしてきたのですが、気持ちのどこかに、何だかこれ、過剰かもなあ、と突っ込みを入れている自分もいたりしたのです。

 

それが何だかふと、心ゆくまで赤とピンクに、子供っぽく浸かりたくなり、冒頭の絵になりました。

 

あの面接の日、私も赤とピンクのおはじきを紐に思うさま繋げて、「きれい〜」と言いたかったのかもしれません。

 

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赤とピンクの判子を予定ノートに好きなだけ押してみました。コロナ禍の中、ノートの中でお祭りです。