こころ、てくてく……表現するこころ

漫画家 海山かのんが、表現する人々のことなど、つぶやいたりマンガに描いたりします。

AI様にはマティスがわからない?•••マティス展を観てAI様と遊ぶ

マティスって良いよね。」

 

特に美術愛好家、というわけでなく普通に絵をみるのも好き、ってくらいの友達が言いました。

 

私はほんと良いよね、と答えながらマティスの良さって改めて言うと何かな、と考えました。

 

色がきれい、物の配置が心地よい、温かみのある抽象化…とあれこれ思いつきますが

 

私が他に感じるのは観る者からの程よい距離感です。

 

グイグイ感情の肌理や自己愛や思想が迫ってくる感じが少ないバランスの良さでしょうか。

 

例えばマティスのカレンダーなら私は使えそうかと思います。エゴン•シーレやムンクのカレンダーは…ちょっと躊躇してしまいます。(エゴン•シーレの風景画にはカレンダー向きもあると思いますが)

 

 

で、このところ癖になっている、印象を受けたことをAI画像生成様と対話してイメージを作ってみることをマティスをネタにやってみることにしました。

 

しかしAI様、ゴッホルノワールでは割とすぐ「らしさ」を出してこれたのですが「マティス、室内、窓」などと指定すると

このようにどうもマティスらしいタッチを知らないのか出せないようなのです。ゴッホなら「ゴッホ、花」くらいの指定であのゴッホらしきうねる筆使いを出してきたのにです。

 

しつこくさらにキーワードをあれこれ捻り出してマティスっぽい絵を引き出そうとしましたが、

もう、つべこべ言わずにアニメ少女でも堪能しなさい、とばかりに以上のような画像を連発してきました。

 

あきらめかけましたが、私は今回いままで気が付かなかったAI様の機能を触っているうちに見つけたのです。

 

それは画像を生成するさいに、参照させたい画像をあらかじめ読み込んでおく機能です。一見わかりにくいのですが。

 

そうか、ここからAI様はさらに学習していくのだなと腑に落ちました。

 

しつこくアニメ少女を提示してくるのもたくさんの人がそれを参照画像として読み込んだからなのですね。

 

そこで私はいかにもマティスらしい、今回のマティス展で入場券にもなった冒頭の絵を参照画像にしてみました。

 

するとどうでしょう、AI様は即座にこんなマティスもどきの画像を出して下さいました。

人が入れたキーワードと参照画像を膨大な学習記憶と入れ混ぜて画像生成する繰り返しが、AI様の経験として積み重なっていくのですね。

 

これはますます面白い遊び相手だなぁという思いとともに、何かモヤモヤする居心地の悪さが湧き出してくるのも感じます。