こころ、てくてく……表現するこころ

漫画家 海山かのんが、表現する人々のことなど、つぶやいたりマンガに描いたりします。

しみじみ手を眺めて描いて

f:id:raspberrychoco:20220718104050j:image

 

私の、指5本。

 

一本一本微妙に違ったふうに付いていて

方向も曲がりかたも長さも違う。

 

指ってどうしてこういう感じにできているんだろう。

 

 

心がざわざわする時は、人が作ったものでないものを描くことにしています。

 

そうすると少し波が鎮まるような気がするのです。

 

猫がいなかった頃は部屋に植物を置いていたのでよく花を描きました。

 

猫と暮らすようになって、猫は植物に禁忌が多く、面倒で部屋に植物を置かなくなりました。

 

それで自分の手や果物などを描いています。

 

猫も描きますが、よく動くんですよね。

 

辛抱強くポーズを取ってくれるのは結局自分の手足ということになります。

 

先日動物園で大きなイグアナを見ましたが、意外と手の形や指の付き方が人に似ている印象を持ちました。

f:id:raspberrychoco:20220730212002j:image

何かの本で、人の手は成長に従って色々な能力を自力で獲得するために、あえて進化し切らずに未分化な状態を残しているのだと読んだ記憶が私にはあります。

 

他の動物の手は、生き延びるためにある能力に特化して進化した形…馬の蹄や猫の鋭い爪と肉球など…をしていることが多いらしいのです。あくまでも不確かな記憶からなので話半分で。

 

…てなことをツラツラ考えながら手をクロッキーすると何となくモヤモヤした気分も変わったりします。

 

 

改めて考えてみると、左手がもっぱらモデルを務めています。

 

私の利き手は右手なので当然そうなるわけです。

 

私の右手は私の右手にナマで描かれることは永久にないのですね。写真ならありですが…

 

気の毒に思い、左手に描いてもらいました。

f:id:raspberrychoco:20220718104124j:image

ぶきっちょな仕上がりですが、線は右手のより素朴で生き生きしているような気がします。