今年の春、うちの花壇やプランターに、チューリップは咲かない予定でした。
それが、我が家の花壇史?最高といってもいいような、堂々たるチューリップが一輪花開いたのです。
私は、「咲き終わったチューリップの球根を育てて、次の春に咲かせる」ことを何度か失敗してから、毎年すでに芽の出た状態のものを買うことにし、前年度のは処分するようにしていました。
それが今回、新しい苗を購入しそびれて、今度の春はチューリップ無しだとあきらめていたところ、
花壇の、いつも植木鉢の残土を捨てる場所からチューリップらしき芽がひとつ芽生えて、まあ花は付かないだろうと思っていたらすくすく伸びて、やあ何色なんだろうと驚くうちに、見事な濃いピンクの花びらを開けたのです。
何せ残土に捨てたニンニクの切れはしのような球根です。どうやって生き延び、ろくに栄養のない土をどうやり繰りして咲いたのだろうと、しみじみ嬉しく、感じ入ったことでした。
たしかフランスのニュースで、この新型コロナ関連の事情で出荷できなくなった広大な畑一面のチューリップが重機で掘り起こされ廃棄されるシーンがありました。
丁寧に手をかけられて最高の状態で蕾をつけ、この春望まれてあちこちを彩るはずだったチューリップ達の運命を思い、これまた何ともいえない思いに打たれたことです。