「ごぎのごぎおほん」
宮沢賢治の『かしはばやしの夜』の一節で、ふくろうの声なんですが、一回読んだら忘れられませんでした。
ふくろうの鳴き声とはとても思えない。
おほん、は許容範囲ですが、どう聴けば、ごぎのごぎ、になるのか。
そう疑問に思いつつ、どうにもできず数十年放置。
賢治漫画を描くようになって、色々未読のお話を読んでいるうちに、『よく利く薬とえらい薬』という話の中に、また「ゴギノゴギオホン」とふくろうの鳴くシーンが出てきました。
やはり賢治は、ふくろうの鳴き声は、ゴギノゴギオホンと表現したいようです。
実際ふくろうはどう鳴くのか?
つきつめて関心を持ったことはなかったのです。
幸い今は検索時代ですから、ふくろうの鳴き声の動画を探してみました。
結果、ふくろうの鳴き声が実に多様であることを知りました。猫みたいなもの、犬のようにワン!というもの、ジージーほとんど雑音、なもの。
しかし、中には「おやっ?」と思うものもあったのです。「 おほん、ギギギギ」と鳴くふくろうの動画がありました。喉でギギギというところが、聞きようによっては、ゴギノゴギ、と言えないこともないな、という気がしました。