山葡萄色、深海色、土筆(つくし)色、と言葉にすると、新鮮なイメージが湧く心地がします。エンジ、ブルーグレー、焦茶、とつい慣れた単語で済ませてしまうのですが。
先日、雑誌『MIZUTAMA』のメンバー達で、久が原にあるとても素敵な文具のお店、『アサヒヤ紙文具店』を取材させていただきました。そのさいにパイロットのインク、「色彩雫」シリーズを3色買ったのです。
早速この3色を使いたくて、最近はiPadに押されてあまり出番のない愛用ペン軸を引っ張りだし、写真を見ながら描きました。
下描きなし、修正不可の一発描きなので、失敗してもとにかく突き進んで出来上がらせます。もっと本物はかわいいんだけれど。iPadならしつこく描き直しを繰り返すでしょう。
でも不思議に充実した時間でした。ペンが紙にシャカシャカ接触する音とともに線が積み重なる、その感触空間はとても贅沢に思われました。
そして、ン10年ぶりに命を吹き返した私の万年筆です。深海色のインクを呑み込んで満足気。乾ききってカートリッジが貼りついて取れなくなってしまった、大昔に入学祝いに貰った普通の万年筆。修理に出す必要があると思い込んでいましたが、ぬるま湯に3日つけたらあっさり復活しました。嬉しいことです。
アサヒヤ紙文具店のホームページはこちらです。ここを訪れた人はきっと紙にペンで書くことのワクワク感に捕らえられるでしょう。