こころ、てくてく……表現するこころ

漫画家 海山かのんが、表現する人々のことなど、つぶやいたりマンガに描いたりします。

寒中に芽生えるもの

※ 最後のほうにアゲハのサナギの画像ありま す。苦手な方はご注意願います。

 

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今は一年で一番、きゅっと寒いとき。この時期は嫌いじゃないです。

 

何か、ぬるい気温の季節にはなかなか取り組めない、堅い本を攻略できるような気になるのです。

 

あわあわしているうちに過ぎてしまうのも毎度のことなんですが。。。

 

花壇では水仙の芽が顔を出しています。この寒いのにわざわざ出てくるのは、いずれ咲くのにちょうど良い気温になるのが分かっているのでしょうか。大変な信頼ですね。

 

そして虫かごには越冬中のアゲハのサナギが3体あります。春に飛び立ってゆく…はずです。

 

昨年も越冬サナギが羽化するのを楽しみにしていましたが、皆寄生虫にやられており羽ばたく姿を見ることがかないませんでした。

 

コロナのこともある中、とても残念に思いましたね。

 

彼らが喜びのかたまりのように、虫かごを真上に飛び出し、屋根を飛び越えていくのを見送れるよう願っています。

 

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新しい年…まだ居る!……不要不急4コマ

 

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師走の後半から年頭にかけての慌ただしさったらないです。おそらく、いついつまでにあれを、ここまでにそれを、という案件がどうしても押せ押せで連なってしまうからでしょう。 

 

年頭初感をマンガにしてみました。今年は丑年とのことですがアマビエ年といえるくらいアマビエが象徴的なキャラクターになっていますね。

 

アマビエ様は海の神さまのようですから、本来のお住まいは竜宮城のような所ではないかと私は想像します。

 

アマビエ様としてはさっさと竜宮城に帰って、のんびり娑婆の様子を見守りたい心境かもしれません。

 

けれど目下のところ、帰る時期の目処が立たないので悶々としておられるのではないでしょうか。

映画『どこかに美しい村はないか』…観てきました

 

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12月6日、人形町での上映を観てきました。

 

岩手県遠野市で、田んぼやりんご畠などで全身を使って自然と対話しながら働く人々、彼らの営みがそのまま鮮やかな四季の絵巻物として展開していく、

 

映像と音をゆったりと浴びるひとときになりました。

 

この映画は、私の参加ウェブマガジン『MIZUTAMA』の代表、田下啓子さんがプロデュースされました。

 

田下さんと監督の能勢広氏が、YouTubeでこの映画について語っていらっしゃいます。

 

映画の予告編です。

youtu.be

 

今後も広島や兵庫での上映が決まっているようです。公式サイトで今後の予定などを見ることができます。

ナスとレタスと日々草…思った形とは違うけれど

 

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けっこう気合を入れて植えたナス、一見おいしそうに実ったけれど、最初に収穫したものが、すが入ってパサパサだったので後からのは何となく収穫されないまま庭の飾りになっています。 

 

一方、すぐダメになるだろうとあまり期待されずに植えた何かレタスの一種、ずいぶん長く次々と葉っぱをつけて、毎回サラダを濃い緑で彩ってくれています。

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そして夏から秋へと休まず咲いてくれた日々草もいよいよ交代。ビオラなどと植え替えています。

 

ところが小さい花のタイプの一種類が、盛りの頃の4分の1くらいのポチポチな花をまだ付けて、葉っぱも地面にはうように広がり、元気のないなりに姿を保っています。

 

水をやるたびに、抜くか、まだこのかわいい花を温存しようか、迷うのです。

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はじめてであったおいしさ……フルーツほおずき

 

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新しいおいしさに出くわして驚いたことは最近なかったように思います。

 

もちろん、何かを食して予想外においしかったり、まずかったりはありますが。想定から大きく飛び出すようなことはなかったです。

 

最近私の食べ物の出会いの幅がそう広くないからかもしれません。

 

そんな中、ほおずきをいただきました。「これは、フルーツほおずきといって食用なんですよ。」

 

食べられるほおずきがあるのは知りませんでした。

 

一般的なほおずきを口に含んだことはありますが、( うまく鳴らすことはできません)どんな味だったか、よく思い出せません。

 

でも色や雰囲気から、柿の味の薄まったようなシンプルな味を予想して、そのフルーツほおずきを噛み締めたところ、

 

「えっ、こう来る?」

意外な華やかさが口に広がりました。

 

何だろう、数種類のトロピカルな果物の味が連想されるのだけれど。

 

しみじみその面白いギャップを味わったひとときでした。

 

 

 

そろそろニチニチソウのフェイドアウト

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うちの庭は基本的に私一人でぼちぼち回しているテンションの低い空間です。

 

家族は「ねえねえ、XXX の花が咲いてるの、見た?」と言ってもだいたい「そうだっけ?」ということが多い。張り合いがないですね。

 

私の手の掛け具合では少しでも難しい植物はすぐ枯れさせてしまうので、自然とある程度ほっといても大丈夫なものたちで占められています。

 

季節を彩る花にはとりあえずせっせと咲いてくれる一年草が中心です。

 

冬〜春はガーデンシクラメンビオラ、夏〜秋はニチニチソウ

 

その交代の時期が迫ってきました。まだ保っているニチニチソウも、だんだん弱ってきています。

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ここのところの暖かさでまだがんばって顔を上げてくれています。よく見ると花びらがボロくなってきている。ありがとう!

思いがけない11月の帰省……アルビノーニ オーボエ協奏曲 第二楽章

 

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もう何十ン年ぶりになるんだろう、11月の札幌の土を踏むのは。

 

もちろん毎年帰省はしているのです。しかし帰省ですから、盆、正月、年度末など切れのいい時期になりがちです。11月は理由がなければ選ばれにくい。

 

このコロナのことで目処が立たずに、今年は11月にホテル泊で変則的な帰省をすることになったのです。

 

紅葉が過ぎ、季節の彩りのカードをほぼ使い果たして、雪交じりの雨の日などは、雪が積もりきって解けなくなった根雪の真冬より寒さがしみてくる、晩秋。

 

北海道、行くならいつがいい? と人に聞かれると、私は、紅葉終わった11月からはちょっとね、根雪になってからは意外といいよ、なんて答えたりしますし。

 

それでも暮らして季節に日々向き合い、落ちきって色をほとんど失った落ち葉をゆっくり踏みしめ歩くときに、ふと何かほっとするような明るい心持ちが訪れることもあったのです。

 

あれは何だったのかしら、11月に帰ればそんな思いが甦る瞬間もあるだろうかと軽い期待を抱いていました。

 

けれどこんな数日の、ホテル泊の慌ただしい帰省に、故郷はそんな奥の顔を見せてはくれなかったのです。

 

足を伸ばした神威岬で、ブリザード並みの横風をぶち当てられたのが故郷のプレゼントでしょうか。

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積丹半島は若い時分に毎年泳ぎに行ったり、キャンプなどで訪れていました。今回生まれてはじめて、晩秋に、海岸線をずっと辿る機会に恵まれたのです。

 

天気はほとんど雲に覆われ風強く雨が降ったり止んだり、時折ちらっと雲が切れて光がのぞくくらい。

 

波が大小様々にごつごつした勇壮な岩に砕けて、木田金次郎の絵のようでした。

 

 

若い頃晩秋にはよく聴いていた曲。今聴くと少し感傷的かなあとも思いますがやはり好きな曲です。

 

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