こころ、てくてく……表現するこころ

漫画家 海山かのんが、表現する人々のことなど、つぶやいたりマンガに描いたりします。

『世間の学』VOL.5電子書籍発行…『世間ぐるぐる』9掲載

 

例えば今回のコロナ禍で散見された同調圧力や、自粛警察。いったい何でそんなことになるの? その原因は人によって色々に考える所でしょう。

 

私はそのような場合の、人と人の間の力学や、空気を考える時、「世間学」という知見を手がかりのひとつにしています。

 

日本社会の奥に横たわり、深層から実際に人や世の中を動かす「世間」に関心や問題意識を持つ人たちが全国から集い、対話をするのが「世間学会」です。

 

その「世間学会」の年2回の集まりで、私の『世間ぐるぐる』というマンガを置かせて頂いています。

 

先日学会誌『世間の学VOL.5 』が電子書籍で発行されました。私の作品、『世間ぐるぐる』第9話「東北シンポジウムの巻」が掲載されています。

世間の学 2018 VOL.5: Journal of the Japanese Sekengaku

マンガの1ページ目はこんなふうです。東北で開催された世間学会のシンポジウムの様子を、私がレポートする、という趣向です。

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論文は、東北の大学の先生たちが当日発表されたものが3本、「世間」の考察をふまえながら、東北の復興と未来への展望にも踏み込んだ内容です。



過去記事に、今年の夏コロナで中止になってしまった世間学会に置きたかったマンガをアップしています。

 

◉10月5日追記です!

渋谷陽一氏といとうせいこう氏のラジオ番組に、世間学会の創立メンバーで幹事の佐藤直樹先生が出演され、コロナ禍と世間を話題に語っておられます。渋谷、いとう両氏の質問が的を得ていて、世間学の考え方がわかりやすく引き出されていたと思います。

 

羽化するタイミングの不思議

 

以下昆虫を含んだ話題です。加工ありですが虫画像出ます。お嫌いな方はご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

我が家にはミカン科のハーブ、ヘンルーダがあり、アゲハが卵を産んでいく。鳥が端から幼虫を食べてしまうのを少し籠に取り分け、蝶にして放すのが毎年の楽しみになっている。

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蝶が、どんなふうに、もう、今、蛹から出て行って大丈夫、今がその時、と感じ、実行するのだろう、とつくづく思う。

 

人間の赤ん坊が、胎内から出ようとする、母体と、胎児の共同プロセスを始める、その時をどうして知るのだろう。

 

私自身、自分が母の胎をどのように出たのかわからないし、自分の子供に冗談半分に、あんた何を思って、あの時に出てきたのよ? と聞いても当然、知らんがな、で済まされる。

 

広大な無意識の法則があって、と簡単に言ってしまえばそういうことなんだろうけど、分からないことが重大なことを決めてゆき、わかることがほんの少しその上に浮かんでいて、

 

そこからこんなふうにああでもない、こうでもない、と日々過ごしているのだろうか、と、虫を見ながら思ったことです。

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ピーター・ドイグ展…同時代の空気

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これ誰だと思いますか?

 

座頭市、だから勝新太郎でしょう。

日本人で勝新をこういう風に描く人はいないのでは、と思います。首周りの徳利セーターのような線は、着物の首あたりの形状を思い浮かべられなかったせいでしょうか。何かを見て確認しながら、でなく、本当に自分の記憶からぱぱっと引き出して描いたのでしょう。

 

今、東京国立近代美術館で展覧会が行われている、イギリスの現代画家、ピーター・ドイグは、時折友人を呼び自宅でミニシアターのような集まりをしていたようで、その度に即興でポスターを描いたのです。今回の展覧会にはそれらが多く展示されました。上の勝新もその一枚です。

 

日本映画では他に『東京物語』のポスターもあり、小津の作品に影響を受けた、という説明書きがありました。

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それでも、東京物語を観た印象のシンボルを、日本の人はこういう風に描かないような気が、偏見かもしれませんが私はします。新鮮です。

 

絵画作品で印象的だった作品はどれかといえば、グッズのノートにもなっていたこれもその一枚です。何かを思い出しそうで、思い出せない、自分の記憶にあちこち触れてきそうで、微妙に別世界のような、簡単に着地させない作品が多いように思いました。

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このコロナ禍の中、ドイグはどんな作品を描いているのでしょうか。それを期待できるのは同時代の画家だからですね。カラヴァッジョやターナーには望めません。

 

私も、テレビではありますが、わりと最近みた映画のポスターをうろ覚えのイメージで描いて遊びました。こんな感じだっけ?って。

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映画『どこかに美しい村はないか』東京と釜石市で上映

 

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私の参加ウェブマガジン『MIZUTAMA』代表、田下啓子さんがプロデュースされた映画『どこかに美しい村はないか』がいよいよ東京で上映されることになりました。9月27日(日)、人形町三日月座です。詳細はこちら公式サイトでご覧になれます。

コロナ禍の中、厳重な対策がされ、お席はかなり数が絞られての上映になります。東京上映後にDVD の通信販売がされるようです。DVD のお申込み方法は公式サイトにあります。

 

また、岩手県釜石市、釜石PITにて、10月24日(土)に上映されます。詳細は公式サイトでご覧になれます。

 

こちらは能勢監督の心洗われる映像と、生きていることを祝福されるようなRakira さんの音楽を味わえる予告編です。

 

過去記事もよろしければどうぞ。もう一本の予告編をリンクしています。

 

◉10月5日追記

 東京、岩手、福島、兵庫など続々と上映追加が決まっているようです。公式サイトに詳しい情報が更新されています。

 

駆け抜けてしまった夏

 

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うちの花壇は、夏はニチニチソウばかり。

園芸根性不足の私がなんとか夏場につなげられるお花として、毎年植えています。

 

そのニチニチソウの横を滑るようにこぼれていく今年の夏。

 

遠くの従姉妹と電話で話したら、やはりお互いに、数々の飛んでしまった予定、会えなかった人々のこと、それでもなんとか近場を楽しもうとする日々を報告し合いました。

 

うちのニチニチソウの写真に手を入れていたら、一面のニチニチソウの小径を、こびとになって走り抜けたらこんな感じかな、というような、疾走感のある残像風に仕上がりました。

コロナで帰れん!……『世間ぐるぐる』第18話

 

今日は私が描いている『世間ぐるぐる』シリーズのマンガをアップします。内容はタイトルどおり、コロナで帰省できないお話です。

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『世間ぐるぐる』は、私が参加している「世間学会」という年2回の会合で、置かせていただいている漫画です。今年の夏の集まりは中止となり、漫画はネットにアップする事にいたしました。

 

コロナの話題のエッセイマンガを以前にアップしています。

 

 

ところで余談ですが、北へ帰る歌といえばこれ。現在、R&B などでヒットを飛ばしている藤井風氏がデビュー前たくさんアップしていた昭和歌謡シリーズで弾いています。私は演歌は基本苦手ですが、思わず海馬が震えて歌詞を口ずさんでしまった、入魂演奏。

 

コーヒーメーカーを探して

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スイッチをいつものように押したのに、あるはずの答えが、ない。

 

毎朝、粉をセットして、スイッチを点灯させると、お湯がポコポコと送られ、香りが満ちてくる、当然刻まれるはずのリズムが、来ない。

 

まあ電化製品が13年も毎朝動いていたのだから、寿命といってしまえば、それまで。コーヒーは毎日入れるから、後釜を探さなくては。

 

この機種は本当に使いやすく、手入れも楽ちんだった。

 

そんなにこだわりはないけど、インスタントではなく、豆を挽いた粉のコーヒーを手軽に毎朝、そこそこ美味しく飲みたい、家族の誰もが簡単に使える、という、我が家のニーズにぴったりだった。

 

だから、似たような機能のものを選ぼうとネットを調べてみると、んん? 選択肢があまりないような? こんなもんだったっけ。13年前はもう少し日本のいろんなメーカーが出していたような気がする。勘違いかな?

 

それに何となくあちこち安っぽくなっている? 取っ手のところとか、使いにくそう。気のせいかなあ。レビューでは、普通に使える、コスパが良いとの声が多く、まあこれ一択だろうと目星はついた。明日にでも近所の家電量販店か、ネットで手に入れよう。

 

毎朝馴染みの、心地よい音と香りのリズムに近いものが戻ってくれるといいけれど。

 

次は13年、もたないだろうなあ。