こころ、てくてく……表現するこころ

漫画家 海山かのんが、表現する人々のことなど、つぶやいたりマンガに描いたりします。

羽化するタイミングの不思議

 

以下昆虫を含んだ話題です。加工ありですが虫画像出ます。お嫌いな方はご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

我が家にはミカン科のハーブ、ヘンルーダがあり、アゲハが卵を産んでいく。鳥が端から幼虫を食べてしまうのを少し籠に取り分け、蝶にして放すのが毎年の楽しみになっている。

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蝶が、どんなふうに、もう、今、蛹から出て行って大丈夫、今がその時、と感じ、実行するのだろう、とつくづく思う。

 

人間の赤ん坊が、胎内から出ようとする、母体と、胎児の共同プロセスを始める、その時をどうして知るのだろう。

 

私自身、自分が母の胎をどのように出たのかわからないし、自分の子供に冗談半分に、あんた何を思って、あの時に出てきたのよ? と聞いても当然、知らんがな、で済まされる。

 

広大な無意識の法則があって、と簡単に言ってしまえばそういうことなんだろうけど、分からないことが重大なことを決めてゆき、わかることがほんの少しその上に浮かんでいて、

 

そこからこんなふうにああでもない、こうでもない、と日々過ごしているのだろうか、と、虫を見ながら思ったことです。

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ピーター・ドイグ展…同時代の空気

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これ誰だと思いますか?

 

座頭市、だから勝新太郎でしょう。

日本人で勝新をこういう風に描く人はいないのでは、と思います。首周りの徳利セーターのような線は、着物の首あたりの形状を思い浮かべられなかったせいでしょうか。何かを見て確認しながら、でなく、本当に自分の記憶からぱぱっと引き出して描いたのでしょう。

 

今、東京国立近代美術館で展覧会が行われている、イギリスの現代画家、ピーター・ドイグは、時折友人を呼び自宅でミニシアターのような集まりをしていたようで、その度に即興でポスターを描いたのです。今回の展覧会にはそれらが多く展示されました。上の勝新もその一枚です。

 

日本映画では他に『東京物語』のポスターもあり、小津の作品に影響を受けた、という説明書きがありました。

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それでも、東京物語を観た印象のシンボルを、日本の人はこういう風に描かないような気が、偏見かもしれませんが私はします。新鮮です。

 

絵画作品で印象的だった作品はどれかといえば、グッズのノートにもなっていたこれもその一枚です。何かを思い出しそうで、思い出せない、自分の記憶にあちこち触れてきそうで、微妙に別世界のような、簡単に着地させない作品が多いように思いました。

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このコロナ禍の中、ドイグはどんな作品を描いているのでしょうか。それを期待できるのは同時代の画家だからですね。カラヴァッジョやターナーには望めません。

 

私も、テレビではありますが、わりと最近みた映画のポスターをうろ覚えのイメージで描いて遊びました。こんな感じだっけ?って。

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映画『どこかに美しい村はないか』東京と釜石市で上映

 

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私の参加ウェブマガジン『MIZUTAMA』代表、田下啓子さんがプロデュースされた映画『どこかに美しい村はないか』がいよいよ東京で上映されることになりました。9月27日(日)、人形町三日月座です。詳細はこちら公式サイトでご覧になれます。

コロナ禍の中、厳重な対策がされ、お席はかなり数が絞られての上映になります。東京上映後にDVD の通信販売がされるようです。DVD のお申込み方法は公式サイトにあります。

 

また、岩手県釜石市、釜石PITにて、10月24日(土)に上映されます。詳細は公式サイトでご覧になれます。

 

こちらは能勢監督の心洗われる映像と、生きていることを祝福されるようなRakira さんの音楽を味わえる予告編です。

 

過去記事もよろしければどうぞ。もう一本の予告編をリンクしています。

 

◉10月5日追記

 東京、岩手、福島、兵庫など続々と上映追加が決まっているようです。公式サイトに詳しい情報が更新されています。

 

駆け抜けてしまった夏

 

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うちの花壇は、夏はニチニチソウばかり。

園芸根性不足の私がなんとか夏場につなげられるお花として、毎年植えています。

 

そのニチニチソウの横を滑るようにこぼれていく今年の夏。

 

遠くの従姉妹と電話で話したら、やはりお互いに、数々の飛んでしまった予定、会えなかった人々のこと、それでもなんとか近場を楽しもうとする日々を報告し合いました。

 

うちのニチニチソウの写真に手を入れていたら、一面のニチニチソウの小径を、こびとになって走り抜けたらこんな感じかな、というような、疾走感のある残像風に仕上がりました。

コロナで帰れん!……『世間ぐるぐる』第18話

 

今日は私が描いている『世間ぐるぐる』シリーズのマンガをアップします。内容はタイトルどおり、コロナで帰省できないお話です。

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『世間ぐるぐる』は、私が参加している「世間学会」という年2回の会合で、置かせていただいている漫画です。今年の夏の集まりは中止となり、漫画はネットにアップする事にいたしました。

 

コロナの話題のエッセイマンガを以前にアップしています。

 

 

ところで余談ですが、北へ帰る歌といえばこれ。現在、R&B などでヒットを飛ばしている藤井風氏がデビュー前たくさんアップしていた昭和歌謡シリーズで弾いています。私は演歌は基本苦手ですが、思わず海馬が震えて歌詞を口ずさんでしまった、入魂演奏。

 

コーヒーメーカーを探して

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スイッチをいつものように押したのに、あるはずの答えが、ない。

 

毎朝、粉をセットして、スイッチを点灯させると、お湯がポコポコと送られ、香りが満ちてくる、当然刻まれるはずのリズムが、来ない。

 

まあ電化製品が13年も毎朝動いていたのだから、寿命といってしまえば、それまで。コーヒーは毎日入れるから、後釜を探さなくては。

 

この機種は本当に使いやすく、手入れも楽ちんだった。

 

そんなにこだわりはないけど、インスタントではなく、豆を挽いた粉のコーヒーを手軽に毎朝、そこそこ美味しく飲みたい、家族の誰もが簡単に使える、という、我が家のニーズにぴったりだった。

 

だから、似たような機能のものを選ぼうとネットを調べてみると、んん? 選択肢があまりないような? こんなもんだったっけ。13年前はもう少し日本のいろんなメーカーが出していたような気がする。勘違いかな?

 

それに何となくあちこち安っぽくなっている? 取っ手のところとか、使いにくそう。気のせいかなあ。レビューでは、普通に使える、コスパが良いとの声が多く、まあこれ一択だろうと目星はついた。明日にでも近所の家電量販店か、ネットで手に入れよう。

 

毎朝馴染みの、心地よい音と香りのリズムに近いものが戻ってくれるといいけれど。

 

次は13年、もたないだろうなあ。

訪れた庭園にて

 

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田や畑、水場を含んだ大きな庭園でぼんやり過ごし、鳥や虫の声、風音に包まれていると、大地、地球は、人が今騒いでいる問題など関心なく、淡々と営みを続けているのだな、と感じました。

 

人など居なくても何億年も地球は地球をしてきて、表面にさまざまなことが生起するに任せていたのでしょう。

 

ガーベラの真っ直ぐな咲き方に惹かれ、写真を数枚撮り、画像に手を入れているうちに、なんだか花芯のあたりが最近TVでときどき見るコロナの画像やCG に見えてきてしまった。

 

忌み嫌われるコロナも、ふと、やはり命の一つの形なのだろうか、と思ったことです。

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