今、宮沢賢治と心友の保阪嘉内が同級生ならこんなふうに撮れるかもしれません。
長いこと表舞台に登場することの少なかった賢治と嘉内のいきさつですが、私の記憶では、本格的にテレビ番組で特集されたのを観たのは初めてです。( ETV 特集 「宮沢賢治 銀河への旅〜慟哭の愛と祈り〜)
賢治を演じた俳優さんはけっこうイメージに合っていたと思います。あとで家族に聞いたことによると、お笑いの人なんですね。
番組の元になった、今野勉氏の著書『宮沢賢治の真実ー修羅を生きた詩人』も読んでみました。
全体的に、二人の魂の求め合いに関して、菅原千恵子氏著の『宮沢賢治の青春』の考察との近さを感じました。
それは、2人の共鳴を「恋」の視点から描いているところです。
私の考えでは、それはあってもいいと思いますが、私は他の視点を前衛に持ってきています。
それは、賢治が希求する「善き道」を共に進む同伴者として嘉内を強く求め、設定していたということです。
それだけ賢治にとっての嘉内は、思想、芸術、宗教などあらゆる面で、他の人では得られない、共感や意気投合をもたらしてくれる存在だったのだと思います。
ケンタウルス座と土星との関係は見聞きしたことがなく、この番組ではじめて知りました。興味深かったです。
私は、賢治がケンタウルス座に注目していたのは、α星が太陽に一番近い恒星であり、二重星であること、さらにずっと遠くから見れば太陽とα星が双子に見えるであろうこと、その理由かなと思っていたので、他の見方もあるのだと知りました。さらに自分なりに調べてみたくなりました。
雑誌『MIZUTAMA』に掲載していただいている私の宮沢賢治マンガ、「カムパネルラのシルエット」(宮沢賢治ってどんな人? 第4話) でもちょうど嘉内を描いているところです。『銀河鉄道の夜』にからめて、彼は賢治にとってどんな存在だったのか、キャラクター達が考察していきます。
教養豊かで才能幅広く、骨太い魅力を持った嘉内を伝えられたら幸いです。
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ちなみに、賢治と嘉内の当時の写真はこれです。手前の頬杖ついているのが嘉内。奥の中央が賢治です。
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