こころ、てくてく……表現するこころ

漫画家 海山かのんが、表現する人々のことなど、つぶやいたりマンガに描いたりします。

アゲハのこない秋

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うちのちいさな庭にはヘンルーダというミカン科のハーブがあります。時期になるとアゲハが卵を産みにきて、幼虫の成長を見るのが日課のひとつになっておりました。

 

丁度昨年の今頃もさなぎの羽化を楽しみに観察する毎日だったのです。

 

今年、8月に旅行をする際に、1日二度、植物に水をあげるようにとよくよく子供たちに頼んで行きました。

 

しかし、彼ら自身が葉をびっしり繁らせた若木であるような人たちのこと、自分のことに夢中で、母のささやかな植物のことなど忘れがちだったようです。

 

戻った時にはかなりの植物が枯れかけていました。数日してヘンルーダはすっかり葉を落としてしまいました。

 

そんなわけで今年の秋は幼虫観察とアゲハ羽化の見守りはありません。さびしいです。ささやかな自然の息吹、サイクルとの繋がりが一つ断たれてしまったようで。

 

ヘンルーダが持ち直すかどうか、今はわかりません。蝶々たちのナビからここが消えてしまうのかなあ、などと思う日々です。

 

銀河の誓い アイビスペイント仕上げ

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「銀河っぽく星が煌めく、夢のような背景に」

ひとつ前の記事の絵も、この絵もこれだけを念頭に仕上げました。

 

違いは別のペイントソフトを使ったこと。前記事のがクリップスタジオ、こちらはアイビスペイントです。

 

大まかに違いをいうと、クリスタのほうが、素材がいっぱいあって、あれがいいかなあ、こうしようか、などと色々迷いながらつくれる。アイビスのほうは、素材もブラシツールもぐっと少ないのであまり選択肢がない。こんなものかな、えいっ!てな感じでとにかく仕上げてしまいます。

 

結果、アイビス仕上げのほうが良くも悪くもざっくりした出来になる。なんだか力強い感じ。正直こっちが気に入っているかな?

 

いずれにせよ、同じ意図で描き始めても、ペイントソフトにかなり影響を受けた仕上がりになるわけですね。もちろん自分の感性がそれを牽引していると思うのではありますが。

 

プロクリエイトならどんなふうに出来上がるかな? 近いうちにやってみようと思います。

宮沢賢治 保阪嘉内との銀河の誓い……合唱『COSMOS 』

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「僕たちの心は、願いは、ひとつだ。」

銀河鉄道の夜』でジョバンニは親友カンパネルラと自分の関係をそのように思いたかったのでしょうか。

 

こんな2人のテーマソング、というか、バックミュージックとしていつも思い浮かべるのが、中学などの合唱コンクール定番曲『COSMOS 』です。

 

宮沢賢治の青春の輝くひとこまを挙げなさい、といわれたらいくつか思い浮かびますが、保阪嘉内との銀河の誓いの場面は、私は外せません。

 

賢治は、盛岡高等農林学校在学中のある夏の日、意気投合した友人保阪嘉内と岩手山登山に出かけました。

 

ふたりは、降りかかるような星々を仰ぎ見、消えかかる松明の熾火を交互に吹いて守りつつ、夜通し語り合ったようです。

 

嘉内と思いを分かち合う中で賢治は、あたためていた自分の信念と進むべき方向を確信でき、その道を共に歩む同志(嘉内) を得た、という思いで高揚していたと、私は考えます。

 

しかし、実はふたりの思いにはズレがあり、それはのちに浮かび上がってくるのですが…

 

それでも賢治は嘉内への手紙に何度もこの日のことを書き送っていますから、彼にとって特筆すべき、重要な場面だったことは確かです。

 

 

この場面を想うとき心に浮かぶのが、先ほど紹介した『COSMOS』(ミマス作曲) です。丁度今頃の時期、合唱コンクールの練習に取りかかっている学校も多いのではないでしょうか。

 

とてもピュアな宇宙的広がりを感じる生命賛歌で、中高生の新鮮な声帯数十人分から発せられると思わずジーンときて浄化されるように感じたものです。

 

この曲の一番を聴きながら、岩手山の銀河の誓いで、賢治と嘉内が歌い交わしているような心地になってしまい、二番で、賢治の教師時代の生徒たちへの思いを勝手に重ねたりしています。どこか青臭い歌詞が賢治に似合うとも思えることもあります。

 

『COSMOS』はこちらで聴くことができます。

 

学生の歌声ならこちら。

https://m.youtube.com/watch?v=9inMte9XmQc

 

 

オランダ……8月のアジサイ

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デルフト、ヒートホールンと旅してきましたが、立派なアジサイをよく見かけます。f:id:raspberrychoco:20180824131347j:image

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気候をよくよく観察してみると、日が差すとむっと暑いけれど、雨や曇りになると日によってえらくしみる寒さが来る、梅雨時に近い感じがするのです。

 

アジサイが多いのもうなずけることです。

 

そのような寒さが来るとこちらの人々の服装は、半袖Tシャツあり、ライトダウンあり、フリース、皮ジャン、大変バラエティに富みます。

 

日本人の多くはこういうとき、インナーを着込んで軽めの羽織り、などで季節感から外れないよう痩せ我慢する気がする。

 

とにかく寒いのだから、自分の体感が求める服を、それぞれの選択で着るのだ、ということなんですね、きっと。ひとのをとやかく指摘したりしないのでしょう。

 

ちなみに夫は半袖でも寒くない、と言い、私は厚手のものが欲しい、と感じていました。

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オランダ ヒートホールン……不思議な静けさ

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縁あって去年に引き続き、オランダを訪れることができました。今年は水郷と茅葺き屋根のヒートホールンが大きな目的の一つです。f:id:raspberrychoco:20180823042546j:image

このように、ボートなどで水路を進みながら一軒一軒様々な趣向が凝らされたかわいいお家を眺めていくのです。

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天気も良く、バカンスシーズンでもあるためか、様々な国の人々で混雑していました。

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このように、緑したたる場所なのですが、夜になって妙に静かな感じに襲われたのです。

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これはホテル前の風景でこの右手には森のようなものもあるのですが、やけにシーンとしているのです。

 

真夏なのに。何か足りない。あの日本の夏なら当たり前な、蝉や虫たち、カエルの声がしないのです。たまにしつこい蜂にまとわりつかれるくらいで、何か虫の層が薄いなぁという印象を受けました。

 

けっこうこういう土地も多いのでしょうか。日本の方が特殊なのでしょうか。虫好きとしてはちょっと寂しかったですね。

 

津田寛治さんの声 … 映画『名前』

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なんとなく、しっとりした知的なボス声、兄貴声のようなイメージで、インタビュー記事を読んでいたのです。

 

映画を見たら、口先で掠れるような、いい意味でチンピラ声でした。それがこのちょっと軸のあやうい役に合っていたと思います。

 

でもひょっとしたら、しっとり知的な声の時も役によってあるのかもしれないですね。他の役柄も見てみたくなりました。

 

インタビュー記事は、『MIZUTAMA』編集長でライターの田下愛さんが書かれています。津田寛治さんの役者としての魅力が伝わってきます。ぜひご覧ください。

 

こちらでお読みいただけます。

『カメラを止めるな!』

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しみじみと面白かったです。私の観た回は満席!

 

観た後ご飯を食べながら、同行者とあれこれ感想を言い合いたくなるいろんな小ネタが詰まっていました。

 

あまり調べないで観に行くのがいいかもしれません。